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2024年7月18日
今後の不動産価格の傾向~ロサンゼルスオリンピックの影響は?~
皆さん、こんにちは!
まもなくパリオリンピックが開催されますね!そして、4年後の2028年にはロサンゼルスオリンピックが開催予定です。これに伴い、ロサンゼルス市内のインフラ整備も進み、不動産市場に影響が及ぶ可能性があります。今回は、過去のオリンピック開催地の事例を振り返りながら、不動産市場の傾向をみてみたいと思います。
まずはアトランタ、シドニー、アテネ、そしてロンドンオリンピック前後の不動産価格の傾向です。
アトランタ、シドニー、アテネでは、オリンピック開催によって不動産市場は活性化しました。特に、オリンピック決定後から開催後にかけての期間において、価格は安定を保ちつつ上昇を続けました。
一方で、ロンドンにおいては2008年の金融危機の影響により、当初は住宅価格が下落していました。しかし、オリンピック開催後の住宅価格市場は回復し、価格は再び上昇に転じました。
参照サイト オリンピック後の不動産価格はどうなった?市場変化からみる不動産投資の可能性 - 不動産投資TIMES | 失敗しないための不動産投資ナレッジ (propertyagent.co.jp)
次に前回の大会が行われた東京の不動産価格指数の動向です。
東京オリンピックの開催が不動産市場に与えた影響が示唆されます。次のグラフを見ると、オリンピックの開催が決定された後、東京の不動産価格指数は上昇を始めました。
しかしながら、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、世界的な景気後退と共に、東京の不動産市場も一時的に停滞しました。それでも、東京オリンピックの前後で不動産市場は持ち直し、オリンピック終了後も東京の不動産市場は安定した成長を見せています。
出典:建設産業・不動産業:不動産価格指数
- 国土交通省
(mlit.go.jp)を基に作成
では、現在のロサンゼルスの不動産市場はどのように推移しているのか。その傾向をご紹介します。現在、ロサンゼルスの不動産市場は活況を呈しており、住宅価格の中央値が105万ドル(約1億6800万円)と上昇傾向で推移しています。過去数年間を見ると、この価格は着実に上昇しており、市場全体が安定した成長を続けています。また、住宅価値指数も右肩上がりであり、これはロサンゼルスの住宅市場が持続的な価値の向上を遂げていることを示しています。
引用 Redfin
引用 Los
Angeles, CA Housing Market: 2024 Home Prices & Trends | Zillow
さらに、ロサンゼルス市は2024年3月、オリンピックのため連邦政府から9億ドル(約1兆4400億円)の資金を獲得したと発表し、これらの資金は地下鉄などの公共交通機関や公共交通インフラの整備、横断歩道の改良を含む様々なプロジェクトに活用される予定です。
一方で、東京オリンピック・パラリンピックの最終大会経費は1兆4238億円でした。この金額には大会期間中の経費も含まれています。こうした比較から、大会4年前にも関わらず、現段階で交通やインフラ整備等のために9億ドルの資金を獲得した財務的な差異が見て取れます。そして、その資金を投資するロサンゼルス内の交通及びインフラ事情の改善が期待されます。
これらの事例を踏まえると、ロサンゼルスオリンピックに向けても不動産市場へのポジティブな影響が期待されます。オリンピックは都市のインフラ整備を加速させ、観光や投資の機会を増加させることが多いため、地域全体の経済活性化が見込まれます。今後、ロサンゼルスの不動産市場がどのように推移するかは注目されるところです。
参照:米ロサンゼルス市、五輪に向けた交通・インフラ整備のための資金獲得を発表、交通渋滞緩和も期待(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
- ジェトロ
(jetro.go.jp)
参照:大会経費の最終報告について|大会経費に係る情報|情報公開ポータル|当局のご紹介|東京都オリンピック・パラリンピック競技大会ホームページ (tokyo.lg.jp)