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お役立ち情報
2019年7月22日
イギリスの洗濯事情
イギリスの洗濯は日本と勝手が随分と異なります。ご存じのとおり、イギリス(特にイングランド)は硬水地域がほとんどです。この硬水ならではの洗濯事情があります。まず、イギリスの洗濯機はこういったドラム式のもので、キッチンに備え付けられています。ちなみにこの洗濯機、日本の洗濯機とは違い、一度回すと途中では止められないので要注意です。
こちらの洗濯機は、少量の水でたたき洗い、かつ、お湯で洗うのが主流です。お湯(30~40℃)だと洗剤も泡立ち汚れが落ちやすいと言われていますが、その分色落ちがしやすくなるので、日常のお洗濯であればColdに設定して洗ったほうがよいでしょう。それでも濃い色の洋服と白色のものを一緒に洗うと色移りしてしまい、お気に入りの洋服がダメになってしまうことも。ここイギリスでは、色ものと白ものは分けて洗うのが鉄則です。
できれば色ものも、黒色や濃いデニムと他のカラーで分けたほうがベターです。特に気になる方は、色落ちをなるべく防ぐような色もの専用洗剤が市販されていますので、使ってみるとよいかもしれません。さらに、硬水に含まれる石灰成分により、白色の洋服を繰り返し洗うとだんだんグレーがかってきます。そんなときも市販されているステインリムーバーや重曹などでつけ置きするとクリアになります。
また、衣類のごわつきを抑えるため、柔軟剤投入やネットに入れる、衣類を裏に返して洗うなどは徹底されるとよいでしょう。
硬水が引き起こす問題はまだあります。衣類だけでなく、ライムスケール(石灰水の水垢)の蓄積により、洗濯機が使えなくなってしまうことがあります。ケトルやシャワーヘッドにこびりついたライムスケールを目にしたことがある方もいるかもしれませんが、洗濯機も同様です。
この洗濯槽へのライムスケール付着を防ぐため、イギリスでは硬水を軟化させる製品を洗濯時に一緒に投入します。市販の洗剤には水を軟化させる成分も入っていますが、定期的にカルゴン(石灰が付着するのを防ぐ薬剤)などを洗剤とともに入れて使用してください。
このように衣類や洗濯機のケアを徹底するには、いろいろな洗剤や洗濯用製品が必要になります。イギリスのスーパーの洗剤コーナーは種類がたくさんあって迷ってしまいますが、下記に基本的な情報を掲載しますので、ご自身にあった用途のものをお選びください。
・Biological detergent-洗浄力を高める酵素入りで白物に効果的。シルクやウールなどのデリケートな繊維、肌の弱い方、色物には向いていません
・Non-Biological detergent-酵素は含まないため、敏感肌の方用洗剤
・Colour-safe detergent-漂白剤を含まない色物用洗剤
・Detergent for delicates-シルクやウールなどの繊細な衣服用で、光沢剤や漂白剤、酵素を含みません
・Stain remover-染み抜き用洗剤
・Fabric conditioners-柔軟剤
・Limescale remover-石灰除去剤・Calgon(Water softener)-石灰中和剤