お役立ち情報
2019年10月26日
Guy Fawkes Night ガイ・フォークス ナイト
日本では花火と言えば夏の風物詩、でもここイギリスは冬の風物詩なのです。新年へのカウントダウンと共にテムズ川沿いで打ち上げられる花火は、日本のテレビでも中継されているようなのでご存知かもしれませんね。でも11月5日にも盛大な花火があちらこちらで打ち上げられます。
11月5日はGuy Fawkes Night-ガイ・フォークス・ナイト。またはBonfire Night-ボンファイアーナイトと呼ばれている400年以上の歴史を持つイベントです。
ガイ・フォークスとは人の名前で、17世紀ごろの信仰深きカトリック信者。当時のイングランド王ジェームス1世はプロテスタントを信仰していたので、王の宗教政策に反するカトリック教徒の彼はまさに反逆児。見つかればもちろん反逆罪で処刑されてもおかしくない時代。そんな国王政策絶対の時代に、彼はこのジェームス1世を暗殺して、自分と同じカトリック信者であるエリザベス・スチュアートを王位につけようと計画した強者だったわけです。そしてその計画がまた大胆不敵!国王が the Houses of Parliament-国会議事堂にいる際に国会議事堂を地下から爆発させて、建物ともども国王と政府の要人すべてを吹き飛ばしてしまえ。。という映画のストーリーにでもできそうなかなり無謀な計画だったというから驚きですよね。ところが密告により実行する前にばれてしまい、あと一歩のところで彼を初めとする反逆者は逮捕されて全員処刑という悲劇に終わったわけです。
そして国王が無事だったことを神に感謝し花火をあげてお祝いをしたそうですが、1605年からなんと400年以上たった今でも、ガイ・フォークスが捕まった11月5日には花火をあげてお祝いする風習が残っているというわけです。この日はビールやワインを片手に、花火を鑑賞しながらあちらこちらで大騒ぎしていますが、実はそんな大胆不敵な事件を思い出させる不気味な花火でもあるのです。
ガイ・フォークスの人形と共にたいまつをもって街中を歩き、最後はかがり火に投げ込むというそんな恐ろしいイベントで盛り上がるお祭りがロンドンから南へ電車で1時間ちょっとのLewes(ルース)という街で毎年行われています。かなり過激なお祭りらしく世界中から観光客が訪れるそうですが、私はロンドンでおいしいものを食べながら、浴衣の代わりにコートを着て“たーまやー!”と花火鑑賞の方がいいなあ。。
ちなみにこのガイフォークスの仮面(写真左)は今では社会的な抗議運動の象徴として世界中でデモなどの際に使われているそうですが、先日のハロウィンの仮装(写真右)よりよっぽど怖い!