お役立ち情報
2020年1月22日
イギリスの暖房・給湯システム
ボイラーの種類
◆ コンビ式
日本で普及しているタイプで、瞬間湯沸かし式のものです。お湯を使いたいときに使いたいだけ使うことができます。ただし、一度に複数個所で同時利用すると、水圧が下がることがあります。また、ボイラーが故障した場合はお湯も暖房も使えなくなってしまうデメリットがあります。
◆ タンク式
このタイプのボイラーは、お湯をためるタンクを必要とします。タンクに貯蔵された温水は、電熱棒によって温度が一定に保たれ、一定量を使いきると再度冷水に戻ります。そのため、タンクの大きさによって一度にたくさんのお湯を使うと再度お湯が利用できるまで時間がかかります(30分から1時間程度)。万が一ボイラーが故障しても、タンク内の水が電熱棒によって暖められ、お湯が利用できます。
※イギリスではSystem boiler(システムボイラー)と呼ばれています
日本では、部屋全体をあたためるのにオイルヒーターや電気ストーブまたはエアコン、あるいは電気ファンヒーターやホットカーペット、こたつなどを上手に利用し、冬の暖をとります。
ここイギリスでは、セントラルヒーティングという暖房システムが主流となっています。セントラルヒーティングとは、熱源装置(ボイラー)で作られた温水を各部屋の放熱器(ラジエーター)に通し、部屋の空気を温める暖房システムです。
家全体を温めるため、どの部屋も温度が均一に保たれ、結露防止になるほか居室と廊下間の温度差も生じないため、健康面へも安心です。また、燃焼を伴わず空気を汚すことや風の発生もないため、快適に過ごせます。
ラジエーター
セントラルヒーティングの使い方
フラットやハウスによってボイラーやコントローラーの種類(アナログ式・デジタル式)など様々。新築物件ではスマートデバイスで操作するタイプもございます。ここでは一般的な従来モデルの使い方をご紹介します。
①
まずはボイラーの主電源がONになっていることを確認
※ボイラーの電源付かない場合はブレーカーを確認してください
②
ボイラーのコントロールパネル、暖房温度を上げる(50-60度)
③
ボイラーのコントロールパネル、プログラマーがオフの設定時間になっていないか確認
※このプログラマーでご自身の生活リズムに合わせて暖房/給湯時間を設定することにより、光熱費の節制が可能です
※プログラマーとサーモスタットが一つになったデジタル式のコントローラーもあります
④
サーモスタット(室内温度調整コントローラー)の温度が適切か確認
※この設定に応じてセントラルヒーティングが一定の室温を保ちます
※サーモスタットの温度を22度以上に設定することも動作確認手段の一つです
⑤
ラジエーターのつまみ(温度調整用バルブ)が開放、適切か確認
※サーモスタットでは全室の温度を一定に調整するため、各部屋を個別に温度調整するのに使います(温度調整ができないラジエーターもあります)
※ラジエーターのつまみを1より大きくするのも動作確認手段の一つです
以上の工程を試してみてもセントラルヒーティングがつかない場合は、家主または管理会社にご連絡ください。
コミューナルヒーティング
アパートによっては、建物全体で一つの熱源を利用したコミューナル・セントラルヒーティングの場合もあります。通常、建物ごとによって暖房が入る時期が決められているのと、お湯代とヒーティング代がお家賃込みの場合が多いです。コミューナルヒーティングの場合には、ボイラーを操作する必要はありませんが、通常各部屋にあるラジエーターのつまみかサーモスタットで温度調整を行います。
注意事項
お住まいによっては、セントラルヒーティングではなく電気式パネルヒーターや空調式の暖房システムの場合もありますので、各暖房システムや使い方については家主または管理会社にお問合せください。◆ 夏の間にセントラルヒーティングを全く使用せず、冬になって使用したときに、ラジエーターの配管つなぎ目から水漏れが発生することがあります。その場合はすぐに家主または管理会社にご連絡ください。
◆ 冬の間、長期不在にする場合、ボイラーの配管が凍結する恐れがあるので、一日に数時間セントラルヒーティングを稼働させ、配管に温水が回るようにしてください。
◆ まれに、温水に気泡が含まれてラジエーターの上部に溜まると、熱伝導が妨げられて暖房効果が弱まることがあります。このラジエーターのエア抜きはご家庭でできるメンテナンスですが、初めて作業される方は家主または管理会社にご相談ください。