お役立ち情報
2017年5月30日
マレーシアのカレンダー
<マレーシアの休日カレンダー>
マレーシアの休日カレンダーは非常に複雑です。ナショナルホリデーという国全体の休日の他、各州ごとにそれぞれの休日設定があります。また、イスラム歴や中国歴で祝日設定する日もあるため、通常のカレンダーでは、毎年日にちが異なる祝日もあります。また、日本では考えられませんが、年の途中まで正確な日が確定せず、数週間~数か月前に最終的な祝日が確定されるというケースもあります。
さらに、国民的イベント等があると、政府が突然祝日に設定すると発表するなど、予想がつかない祝日も出てきます。企業の運営等に当たっては、毎年公表される年間カレンダーをチェックするとともに、政府の発表なども絶えず確認していくことが必要です。日本人の方で、突然の祝日発表を知らず、いつも通り出勤したら渋滞がなく、おかしいと思っていたらだれも会社に来なかった、という笑い話もあります。
ショッピングセンターなどの商業施設は、設備点検等の特別な場合を除き、365日稼働しています。また、クアラルンプール市内および近郊では、営業時間は10時~22時までが一般的です。市内中心部のショッピングセンターに入る飲食店舗などは24時過ぎまで営業しているケースもあります。
<金曜日>
毎週金曜日午後はマレーシアの人口の過半数を占めるイスラム教徒にとって特別な日です。週1回、近所のモスク(イスラム寺院)まで出向き、お祈りをするのが金曜午後となります。イスラム教徒の人たちによると、お祈りをするだけではなく、世間話や情報交換をするなど、大切な社交の時間でもあるとのことです。
モスク周辺はお祈りの人の車や、お祈り後の昼食屋台、雑貨販売屋台等でこの時間、大変な渋滞となります。
企業も金曜日の午後は昼食時間を延長したり、場合によっては休業としたり(その分、土曜日半日出勤に充てるとのことです)して、イスラム教徒の人たちの要望に応えています。
イスラム教徒以外の人たちも渋滞を考慮し、金曜日の午後はスケジュールに余裕を持つことが重要です。
<週休2日制>
マレーシアでも週休2日制は広く普及しています。政府機関や金融機関が休業となることから、通常の企業も土日を休みとするケースが多くなっています。
しかしながら、金曜日がイスラム教徒の特別な日という認識から、金曜日を半日出勤、土曜日も半日出勤とする企業もあり、土曜日もオフィス街は比較的渋滞している状況です。
<ラマダン 断食月>
イスラム教では1年のうち1か月間、太陽が昇っている間、一切の飲食を禁止するという非常に厳しい戒律があります。これがラマダンです(断食月)。ラマダン終了日は祝日となります。
中国系やインド系のマレーシア人は、このラマダン中も、イスラム教徒のすぐ横で普通に昼食をとったりお菓子を食べたりしています。日本人の目から見ると、イスラム教徒への配慮が足りないような気もしますが、この不干渉こそが、民族間、宗教間の紛争をなくした重要な慣習なのです。お互いに批判もしないし干渉もしないということは多民族国家・多宗教国家のマレーシアにとって、とても重要です。
熱帯にあるマレーシアでは、日中は水1滴たりとも飲むことが出来ないラマダンは、非常に過酷な状況にあるといえます。当然のことながら、企業の効率は低下します。特に建設や輸送などの肉体労働現場は厳しい状況となるため、ラマダン期間をまたぐプロジェクト管理などでは、十分な配慮が必要となります。また、オフィス業務でも効率が落ちるため、政府の許認可等は余裕を見ることが重要です。
この期間の引っ越しやオフィス設営などもスケジュール管理では特別な配慮を要します。
ラマダン期間中、イスラム教徒の人たちは、日没に合わせて一斉に夕食をとるため、通常のレストラン等の営業では事足りず、歩道や空き地に席を拡張して対応します。この期間、夕食時間帯は非常に混雑しますので、イスラム教徒以外の人たちも配慮が必要です。