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お役立ち情報
2017年6月5日
クアラルンプール(マレーシア)の不動産傾向(投資情報)
以下はクアラルンプールおよびその周辺の外国人(日本人)による不動産投資(売買)の傾向に関する情報です。実際の不動産購入に当たりましては、弊社担当者にご確認いただきました上でご検討ください。下記の内容に関し、弊社で利回り等の保証するものではございません。
<マレーシアの不動産市況>
マレーシアは外国人による不動産取得が簡単なため、2008年~2010年前後に外国人投資家からの人気がうなぎ登りとなり、2012年前後まで急激な価格高騰が発生しました。その過激ぶりは、新規不動産の販売が始まると行列ができ、たった数日で完売、という物件も多数出たほどです。そのため、ジョホールバルやクアラルンプールの中心地(KLCC)では、年率30%を超える売買価格上昇も発生し、マレーシア人が自分の居住のために住宅を買える状況ではなく、コンドミニアムによってはほとんど丸々、投資目的の外国人やマレーシア人富裕層が買い占める、といった状況も発生しました。
これに危機感を覚えたマレーシア政府は2014年1月1日より、不動産取得に関する規制を強化し、特に外国人の不動産購入に関しては、最低購入価格をRM50万から倍のRM100万に引き上げ、更にRPGTという税制を導入し、外国人の短期の投機的投資に対する制限を強化しました。
2014年の規制強化により、その過熱ぶりは徐々に沈静化してきたと見られます。
2014年ごろまでは、不動産投資は転売による価格上昇分の利ザヤ取得を目的とすることが一般的だったため(いわゆるキャピタルゲイン狙い)、コンドミニアムを購入したオーナーの中には、手間がかかりオーナー責任も発生する貸し出しを渋る人も多く、完売コンドミニアムにも関わらず、なかなか賃貸部屋を見つけることが出来ないという異常事態も発生していました。2000年代初頭に某企業が一棟一括購入したKLCCの高級コンドミニアムは、10年以上にわたり1室も賃貸に出されたことが無かったにもかかわらず、不動産価値の急激な上昇により企業のバランスシートに多大な貢献をした、という物件もありました。
2020年現在、キャピタルゲインはまだ多少あるものの、上昇率は落ち着きを取り戻し、年率5%以下となるものも出てきています。キャピタルゲインの低下に伴い、利益確保のため従来、賃貸を渋っていたオーナーも賃貸付けを希望する方が多くなっている状況です。
新規の建設・開発状況を見みると、外国人投資家の購入対象となる高級コンドミニアム(外国人購入規制のRM100万以上の物件)は、作れば売れるという過去の状況から、ここ数年、賃貸付けが可能かどうかを慎重に検討して購入する顧客が多くなっており、好調に売れる物件と、建設中止も危ぶまれる事態に陥っている物件とに二極化されてきました。
<高級住宅不動産の二極化>
賃貸希望のオーナーが増えたことにより、一部の地域除き、空き室は比較的潤沢に供給されるようになっています。しかしながら、すぐに賃貸が決まる物件(仮に物件Aとする)と、数か月~数年経ってもテナントが入らない(仮に物件Bとする)という不人気物件の二極化が顕著に現れてきました。
新築物件はAもBも建物の構造や各部屋の作り、付帯設備等は10年前の物件と比較にならないほど進歩しています。付帯設備等は、AよりBの方が優れているという場合もあります。
購入価格も、AとBとの間ではそれほど大きな違いはありません。したがって、同じ標準的な賃料収入利回りを想定するオーナーであれば、AとBとの賃貸価格も大きな差がありません。
ではAとBの差は何でしょうか。
最大の差は立地です。特に競争が激しいKLCCなどでは、500メートル離れると賃貸付けには天と地ほどの差がでます(実際には200メートル離れると差が出ます)。公共交通機関がまだ未熟なクアラルンプールでは、車で走れば1分かからない違いですが、この差が賃貸付けには大きく影響します。
高級コンドミニアムの居住者の大半は、企業赴任者です。企業赴任者の住宅は、各企業ごとに定められたバジェット(上限予算)があり、通常の企業はこの範囲内で、実際に赴任する人が物件を見学し、住居を探すこととなります。例えばバジェットがRM6,000の赴任者がいたと仮定し、AとBの物件のどちらにするかを検討している状況を想定します。Aの家賃RM6,000、BはRM5,000。赴任者はどちらを選ぶでしょうか。
答えは記載するまでもなく100%、物件Aを選択します。仮に自分で家賃を出すと仮定した場合、答えは変わってくるかもしれませんが、企業のバジェットという概念の中では、疑問の余地がないのです。
では同じ条件で、他の企業でバジェットがRM5,000の赴任者がいたと仮定します。物件Aはバジェットオーバーなので検討には入りませんが、物件Bと競合するのは築7~8年の物件C(好立地で一昔前の人気物件、賃料RM5,000)だとします。この場合、新築のB物件との間で、赴任者はどちらを選択するでしょうか。
答えは75%の確率で物件Cとなります。
マレーシアでは500メートルの距離を歩くという習慣がありません。隣のビルに行くにも車を利用する社会です。7~8年前のコンドミニアムといっても、日本の築数十年のように極端に古いわけではありません。BとCとの選択を迷うような場合、赴任者は75%の確率で立地が良い物件Cを選択します。
もちろん、上記は例ですので、部屋の広さや内装、その他の要因も数多くありますが、不動産投資で物件を購入される場合は、推定借主は赴任者であるということを念頭に検討することが重要です。
<クアラルンプールの不動産投資で良い立地とは>
物件Aと物件Bは同じKLCCという地域にあります。例えば、物件AはKia Pengという細い道に面しており、物件BはTun Razakという便利な環状線に面している場合、どちらが良い立地なのでしょうか。この答えは、ターゲットとする借主の生活導線を把握しなければ導き出すことはできません。
スターツは多数の日本人赴任者の顧客を抱えており、彼らの生活を十分把握しています。また、欧米人赴任者の生活スタイルも同様に熟知しています。従って、プロの目から見れば、一見差異がないAとBの物件でも、どちらが正しい選択なのかは一目瞭然なのです。
クアラルンプールでは、日本人といっても企業派遣の赴任者の他、MM2Hの方、現地採用の方など、多数の日本人が住んでいらっしゃいます。しかしながら、日本人が不動産を賃貸の投資目的で購入される場合、メインターゲットとなる借主は企業赴任者であり、彼らの生活にマッチした立地の物件を購入することが最も重要なポイントとなります。内装や付帯設備等も重要ですが、これに惑わされてはいけません。